絵本ですくすく

5歳から娘と毎日お気に入りの絵本探し。絵本の感想日記。現在7歳。

「ヒッコリーのきのみ」

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『おもたい みは おいしいよ。おもたい みは おいしいよ。』

 

懐かしい!と思わず手に取りました。私が小さい頃持っていた絵本です(古

本自体は色あせていたりと古さを感じるものの、内容は今読んでも全く古さを感じさせない絵本でした。

リスのバビーがヒッコリーの木の実を通して、お母さんから様々なことを学ぶお話です。ヒッコリーっていうとなんだか馴染みが薄いですが、クルミの種類なんですね。秋の間たくさん集めてバビーたちは冬に備えます。

ほっこりとする内容で、擬音やセリフの掛け合いがクセになる可愛らしさです。幼虫が実をかじる音さえも可愛らしくて嫌な感じがしません。セリフも繰り返しが多かったり、七五調ではないもののリズミカルだったりして、つい真似して口ずさんでしまいます。

ふんわり描かれる温かみのある絵が、この絵本の内容にぴったりです。バビーが頬袋いっぱいに木の実を頬張るシーンは可愛さ満点で大好きです。題材も内容も子供に馴染みのある要素がたくさんあって、親しみやすい絵本だと思います。

何十年経っても絵本を見てすぐ思い出せるとは、子どもの頃の吸収力ってすごいですね。当時の印象も併せて思い出されました。子どもながらにちゃんと感じ取っていたんだなと改めて実感。そして今度は娘に同じ絵本を読み聞かせる感慨深さを感じつつ、できるだけ一緒に読む時間をとってあげたいなと思いました。本当に今だけ、あと何年かだけ、なんだなぁ。毎日だと時間に追われることもあるけれど、最近自分で読めるようになっちゃっているけれど、でもできるだけ一緒に読んであげる時間を作りたいなぁ、と思わせてくれた一冊になりました。

 

「ヒッコリーのきのみ」

 作 香山美子

絵 柿本幸造


 

「くしカツさんちは まんいんです」

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『きみら、はよ じぶんの くし さがしや。』

 

「こんぶのぶーさん」に続き、 本当にこのシリーズ大好きです。面白い。ちなみにこの絵本も借りるのも2回目です。

それぞれ訳あって居場所をなくした”みたらしだんご”と”やきとりのねぎ”と”きりたんぽなべのたんぽ”が、くしカツの上にどさっと重なります。よりによって”みたらしくん”が一番上なもんだから、タレが垂れる垂れる…笑 みんなで重なっているために”たんぽくん”も”くしカツ”も狭そうに横に刺さります。よくこんなこと思いつくな笑 私が一番好きなのは、”たんぽくん”の居場所をなくしたくだり。まるで漫才の掛け合いのよう。

それぞれに顔が描かれていないのに、セリフの感情が伝わる絵の感じが大好きです。コテコテの関西弁で繰り広げられる軽妙なやり取りも面白すぎ。そのまま読んでも関西弁をしゃべっている気分になれてちょっと嬉しい。

うちの娘はこのシリーズの影響で、関西弁もどきをしゃべることがあります。テレビでも関西弁は聞いているから親しみのある方言なんでしょうね。

 

「くしカツさんちは まんいんです」

岡田よしたか さく ehondesukusuku.hatenablog.com

 


 

「おたすけこびとと おべんとう」

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『おひるまでに ちゃんと おとどけします』

 

子供が好きそうなとても夢のある絵本です。遠足に忘れてしまったお弁当を、依頼されたこびとたちが力を合わせて届けるミッションを遂行します。

こびとたちにとっては大きな大きなお弁当を、数々の乗り物に乗せて進みます。水の上なら船に乗せます。道がなければ開拓します。小さなこびとたちが力を合わせて働くこと働くこと。細かい絵の書き込みを眺めるだけでも楽しい絵本です。無事届けた後は、美味しく食べるのを見守るのも忘れません。あぁ…こんなこびとたちが我が家にもきてほしい。

親子で興奮したページは表紙をめくった裏でした。無数のお弁当だらけ!しかもそれぞれメニューが違う!これをみてるだけでも楽しいです。一番好みのお弁当はどれかな?と親子で選ぶのも楽しそうです。

この絵本はなんといっても夢があふれる絵の細かさが魅力です。そして文字がとっても少ない!その分、耳を傾けるエネルギーを絵を楽しむ方向へ存分に向けられます。早ければ2歳ころから楽しめそうですし、絵本に興味を示さなかった子のデビューにもいいかもしれません。働くクルマや乗り物が大好きな子へのプレゼントにもオススメの一冊だと思います。

 

「おたすけこびとと おべんとう」

なかがわ ちひろ 文

コヨセ・ジュンジ 絵


 

「ぼくのだ!わたしのよ!」

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『みんな いっしょだと すこし げんきに なった,』

 

あ、またカエルの絵本でした。たまたまなんですが…。

帯を見て気づきましたが、「スイミー」を描いた人なんですね。オススメの棚にあったのでなんとなく手に取りました。実は今まで海外の絵本はあまり読み聞かせてきませんでした。どうしても訳をはさんでしまうと、親しみやすい言葉選びから一歩遠ざかっているような気がしていたためです。言い回しとか。あとは、私自身が外国の登場人物の名前を覚えきれなくて…恥

毎日ケンカしている3匹のカエルのお話です。池の水も、地面も、空気まで、それぞれ自分のものだと主張してはケンカします。これ、子どものケンカのあるあるですよね。娘からそんな話を聞いたことはありませんが、子どもの世界だってきっといつもいつも「貸ーして」「いーいーよ」の平和ばかりじゃないはず。客観的に見て、どんな気持ちがするのか考えてもらうのにいい題材でした。

この本も文体からは訳を通した独特の雰囲気を感じ取れますが、むしろその淡々とした語り口調が、嵐の恐怖を際立たせていたり、最後のセリフを読み終わった後の余韻の深さをさらに感じ取れる絵本になっていると思います。ケンカは本人同士だけでなく周りも嫌な気持ちになること、仲間がいることの心強さや楽しさが伝わってくれたらいいな。集団生活を送っている今、読み聞かせて良かったなと思います。

子供が迷わず手に取るキャッチーさやとっつきやすさが光るわけではありませんが、親としては読ませておきたい絵本でもあります。兄弟がいたりするとお家での日々も重なって、さらにもっと深く感じ取れるものがあると思います。

 

「ぼくのだ!わたしのよ!」

レオ=レオニ

訳 谷川俊太郎


 

「10ぴきのかえる うみへいく」

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『いまなら、おためしツアーで、りょうきん むりょうです』

 

私はこの絵本は初見でしたが、10ぴきのかえるシリーズらしいです。かもめの旅行業者が10ぴきのかえるたちを海へ連れていきます。ビーチパラソルならぬ葉っぱパラソル片手にうきうき出発する様子は、まさに”井の中の蛙”から”大海”へ。初めて目にする新しい世界でのお話です。

私も娘も、目と鼻の先に海がある地域で育っていますが、海と無縁の場所で育ったら初めて海に行った時の感動はこんな感じなんでしょうか。あの広い海を初めて間近にみる感動が、物心ついてから味わえるのは羨ましい気もします。

ひとつだけ、かえるたちが直面する”なぜ海はしょっぱいのか問題”は謎のまま終わります。親としてこちらに疑問がぶつけられたらとドキドキしてました。調べたところで、分かりやすく教えられる理由なんだろうか…。

10ぴきのかえるたちの仲良しさ、めいめいが楽しむ様子に癒される絵本です。絵も内容も親しみやすく、3歳ごろから十分楽しめる絵本だと思います。

 

「10ぴきのかえる うみへいく」

間所ひさこ さく

仲川道子 え


 

「ペンギンきょうだい そらのたび」

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『ひこうきに のるの、はじめてだ。いってきまーす!』

 

ペンギンきょうだいシリーズです。うちでは電車の旅を持っているので借りてみました。こっちもおもしろかったー。

きょうだい3人だけでおじいちゃん家へ旅行するお話です。このシリーズは食事の絵が妙にリアルで美味しそうなのが好き。今回の機内食でも、ハンバーグの上の目玉焼きのツヤツヤ半熟加減がたまりません。ちゃんと子供用のおもちゃもついてるリアルさ。乗り換えの間に広がるお土産屋さんもリアル。ネックレスとか売ってるあたり、免税店をイメージしたのかな。乗り継ぎ案内の電光掲示板や、コンベアーでの荷物受け取りなど、ファンタジーなのにリアルなのがこのシリーズの魅力です。

今は飛行機に乗るのもおじいちゃんちに行くのも、我慢の時代になってしまいました。子供たちだけで旅行なんて本当に勉強になるのになぁ。この絵本のリアルさで、ちょっとだけ旅行気分を味わいました。

あ、私の大好きな1ページが離陸の瞬間です。3人そろってすごい顔で硬直するのがたまらない。めちゃカワです。

小さな子供でも楽しめる絵本ですが、絵の書き込みが細かくて小さな発見がたくさんあるので5~6歳でもまた違う楽しみ方ができる絵本です。飛行機に乗ったことがある子は特に面白く読めるだろうなぁ。

 

「ペンギンきょうだい そらのたび」

工藤ノリコ


 

「コんガらガっち どっちにすすむ?の本」

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『いぐらは すきな みちを えらんで すすみます。』

 

ストーリーだけを楽しむ絵本ではなく、あみだくじのように自分で進む道を決めて指でたどりながら楽しむ絵本です。イルカとモグラがこんがらがってできた生物”いぐら”が進む道を、読み手が決めて進みます。スタートはひとつだけ。そこから指でたどりながら分かれ道を選んでいきます。分かれ道は二股のこともあれば、多数のこともあれば、ページの外に及ぶことも。それでも最後はなんとかなります。卵が乗った美味しそうなカツどんを食べられる選択肢もあれば、トマトとバナナが乗ったカツどんにたどり着くことも。裏表紙には、”きみのすすむみちは、きみがきめるんだ”の一言。なるほど、そういうコンセプトなのね。同じページを読み進めるのに子供と親が違う結末になったりと、一緒に読む楽しさもあります。

作者はEテレの「ピタゴラスイッチ」のスタッフだそう。なるほど、キャラがそれっぽい。子供はこういうの好きそうですね。何度も最初に戻ってやりたくなる絵本です。

3話目は選択肢ではなく一本道なのですが、ぐねぐね縦横無尽に進みます。ページも越えて行ったり来たり。意外でしたが、5歳くらいだとこれが子供には難しいみたいです。ページをまたぐとちょっと迷いがち。ここだけ一緒に導く必要のある子もいるかもしれませんが、たとえ文字を読むのが追い付かなくても、子供が自分で楽しめる絵本だと思います。

 

「コんガらガっち どっちにすすむ?の本」

さく ユーフラテス