「ヒッコリーのきのみ」
『おもたい みは おいしいよ。おもたい みは おいしいよ。』
懐かしい!と思わず手に取りました。私が小さい頃持っていた絵本です(古
本自体は色あせていたりと古さを感じるものの、内容は今読んでも全く古さを感じさせない絵本でした。
リスのバビーがヒッコリーの木の実を通して、お母さんから様々なことを学ぶお話です。ヒッコリーっていうとなんだか馴染みが薄いですが、クルミの種類なんですね。秋の間たくさん集めてバビーたちは冬に備えます。
ほっこりとする内容で、擬音やセリフの掛け合いがクセになる可愛らしさです。幼虫が実をかじる音さえも可愛らしくて嫌な感じがしません。セリフも繰り返しが多かったり、七五調ではないもののリズミカルだったりして、つい真似して口ずさんでしまいます。
ふんわり描かれる温かみのある絵が、この絵本の内容にぴったりです。バビーが頬袋いっぱいに木の実を頬張るシーンは可愛さ満点で大好きです。題材も内容も子供に馴染みのある要素がたくさんあって、親しみやすい絵本だと思います。
何十年経っても絵本を見てすぐ思い出せるとは、子どもの頃の吸収力ってすごいですね。当時の印象も併せて思い出されました。子どもながらにちゃんと感じ取っていたんだなと改めて実感。そして今度は娘に同じ絵本を読み聞かせる感慨深さを感じつつ、できるだけ一緒に読む時間をとってあげたいなと思いました。本当に今だけ、あと何年かだけ、なんだなぁ。毎日だと時間に追われることもあるけれど、最近自分で読めるようになっちゃっているけれど、でもできるだけ一緒に読んであげる時間を作りたいなぁ、と思わせてくれた一冊になりました。
「ヒッコリーのきのみ」
作 香山美子
絵 柿本幸造
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