「100円たんけん」
『ものの ねうちって おもしろい。』
お買い物を通して、物価や金銭感覚について分かりやすく学べる絵本です。内容的にボリューミーですごく勉強になる絵本。金銭感覚に自信のない私のような大人は、きっとハッとさせられます。
コンビニで100円分のお菓子を買うところから、お金についての興味が湧く男の子。100円の価値を調べるために、100円探検に商店街へ出発します。付き合ってあげるお母さんがエライ…。
100均のお店では、物によって100円で喜んで買う人と、100円では高いと感じる人がいること。牛肉よりも豚肉の方が多く買えること。同じ100円パーキングでも、20分しか停められないところと、60分停められるところがあること。その他にも、子供の目線ならではの新しい発見がいっぱい。100円同士のものを比べてみると面白いね。そう言われてみれば、大人でも感心させられる目のつけどころ。また、絵本だからとはいえ、お店の人たちが協力してくれる、商店街ならではのあったかい雰囲気も素敵です。
正直言って年長さんには難しい内容だと思います。お小遣いを自分で使うようになるくらいの小学生向き。でも、娘は面白がって読んでいました。なんとなく分かっているようですが、完璧に理解するのにはまだ2~3年かかりそう。100円玉を握りしめてお買い物に行きたくなる絵本です。でも今は100円でどのくらいお菓子が買えるんだろう。消費税もなかったころは、駄菓子屋さんに行けば100玉ひとつでビニール袋をパンパンにするくらい買うこともできたけれど…古。今は計算も大変だろうなあ。
内容の割には読みやすい文面ですが、その文章量もたっぷりです。入学前の子には読んであげた方がいいと思います。小学生になったら手元においてあげたい絵本なので、プレゼントにも喜ばれると思います。
「100円たんけん」
ぶん・中川ひろたか
え・岡本よしろう
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