「イモムシかいぎ」
『ソウデスナ ソウデスナ』
すっかり秋ですね。
秋にぴったりのほっこり絵本です。
早朝から始まる、イモムシたちの会議、”イモムシかいぎ”。
みんな葉っぱに議題を書きとめて集まります。
何を議題に挙げても、「ソウデスナ、ソウデスナ」と和やかに進行していきます。
ところが、一つの議題をきっかけに大紛糾。
さて、イモムシかいぎはどうなってしまうのでしょう。
虫は、キライです。
ですが、この絵本のイモムシたちはポップで愛らしいので大丈夫です。
スタンプのような版画のような、この挿し絵はどうやって描かれているんだろう。
優しいほっこりする風合いが、絵本の内容とピッタリです。
なにより、とってもカラフル!
どのページも背景までポップな色合いで可愛らしいです。
表紙の裏には、虫たちが持ち寄った、議題を書き込んだ葉っぱの数々。
それらを読んでいるだけで面白い。
”コトシノアキハ アメガオオイソウデス”
”クモノスカラ ニゲルニハ セオヨギノ カッコウヲ スルトヨイ”
平和で可愛すぎます。
それから、一番最後のページには、なんと、”イモムシかいぎ”なる歌まで!
作曲の中川ひろたかさんって、どこかで聞いたと思ったら、「100円たんけん」や、「ランドセルがやってきた」の人だ!
調べてみたら、シンガーソングライターですって。
絵本も描けて、歌も作って歌えるってスゴ。
この”イモムシかいぎ”の歌を、娘とちょっと歌ってみたら、ハマってしまいました。笑
8分の6拍子の揺れるリズムに合わせて、
”イーモムーシ ムシムシー”
”イーモムーシ かーいぎー”
”イーモムーシ ムシムシ―”
”はーなしーあいー”
…シュールすぎるでしょ。
でも、歌ってみると耳から離れなくなります。
私は現在結構重度です。笑
この歌だけでも伝えたい、シュールで可愛い絵本です。
自分で読むなら年中から年長さんくらいからでしょうか。
会議の場面はコマ割りのようなページもあったり、手書き文字があったり、カタカナや文章量も少なくはないので、小さい子供には読み聞かせたほうがよさそうです。
『イモムシかいぎ』
さく・え 市居みか