「いくらなんでもいくらくん」
『みごとじゃ!みごとじゃ!いくらのおすしどの!』
江戸時代っぽい昔風のお話です。”なんでもや”のおすしのいくらくんと、お殿様のお話。
不思議な方法でお殿様の要望を何でも叶えてくれる、いくらくん。半信半疑だったお殿様も次第にいくらくんにゾッコンに。命令口調のお殿様とひれ伏す家来、に対して媚びずに「あいよ」付き合ういくらくんの掛け合いが面白いです。いくらくんに出させたブドウを食べたお殿様の、「ぶどうじゃ…」がウットリしてて最高です。
お殿様の欲はとどまることなく、それに対してしっぺ返しがくるような教訓めいたラストになるわけではないのですが、小学生くらいになるとそのへんの無限の欲に対する自重めいた教訓も受け取ることができるかもしれません。
内容の面白さもさることながら、この絵を見てもらいたい!いくらのツブツブがいっっぱい出てきます。いくらのお風呂とか圧巻です、ほんとに。
文字数的には多すぎず少なすぎず、低学年くらいまでたのしめそうです。セリフが昔風なため、4~5歳なら読み聞かせてあげたほうがスムーズかも。「みごとじゃ!みごとじゃ!いくらくん!」が何度も出てくることで、リズミカルに勢いづけて読むことができます。
「いくらなんでもいくらくん」
シゲタサヤカ
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