『あ~ぁ、もっと楽してお菓子をもらえるウマイ話ないかなぁ…』
最近の娘のブーム、忍者と国旗、そして”こびとづかん”!
このこびとたち、私にとってはキモ可愛いを通り越して、ただただキモい…と思うのですが、このシリーズはすごいですね。
特に図鑑にいたっては、架空のものとは思えないほど特徴や生態がこと細かくまとめられてあって、捕獲方法や飼育方法まであるもんだから、読み込むのが大好きな娘はハマってしまいました。
一時は、部屋の中にこびと捕獲の罠をこしらえるほど。
その作者さんの他の絵本を…と探したのがこの絵本。
おぉ、まさにこびとっぽいタッチの絵だ!
こびとよりもうちょっと可愛く描かれています。
お手伝いのお駄賃のお菓子がもっとほしい、豚?の”いーとん”。
怪しい男からのウマイ話に食いつきますが、引き換えとして”大切なもの”を失ってしまいます。
奪われた”大切なもの”を取り戻す、大冒険です。
まるで昔話のような、思ったより含蓄のあるお話です。
欲にかられるとどうなるか、とか。
どんなに物欲に満たされても、一緒に楽しむ人がいないと楽しめない、とか。
自分の大切なものと引き換えにしても、人を助けたいと思う気持ち、とか。
ハッピーエンドだけれども、ちょっとだけ切ないハッピーエンドです。
短編映画のように、内容が結構詰め込んである1冊です。
とはいっても、大爆発のオナラが大活躍する、子供に鉄板の下ネタもあり。
中でも、”いーとん”が相談しに行く、おばあちゃん的存在の”オバァーニーさん”の存在感ときたら。
バニーガールのいでたちをした、しわしわのウサギのおばあちゃん。
ええ、もちろん網タイツです。
物知りで、両脇にはウサギを2匹従えています。何者⁉
このシュールさには触れられず、物語は進んでいきます。
このオバァーニーさんがいーとんを導き、身をもって助けてくれます。
たくさんの絵本を読んできた娘が、初めてウルウル泣きそうになった絵本です。
今回借りるのもじつは3回目。
お気に入りの1冊になった様子。
ふりがなはふってあるものの、普通に漢字も使われているので、もしかしたら小学生向けなのかも?
読み聞かせてあげるなら、もっと小さくても面白く読めると思います。
絵本の中ではちょっとボリュームありのお話ですが、ハラハラドキドキの大冒険が面白いので、じっくり読み聞かせてあげたい絵本です。
「いーとんの大冒険」
なばた としたか さく
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