「にんきもの いちねんせい」
『みんなが みんな にんきもの いちねんせい』
3月ですね。
コロナもあって、あっという間に過ぎてしまった園生活でした。
幼稚園や保育園からの小学校入学は大きな大きな変化ですね。
楽しみでもあり、きっとちょっぴり不安でもあり。
そんなタイミングで読むと、ちょっとホッとする絵本です。
14人の子供たちのいいところが描かれた絵本です。
みんなを元気にできるから、にんきもの。
なかまはずれをしないから、にんきもの。
おもいやりがあるから、にんきもの。
みんなをまもってくれるから、にんきもの。
一見、大人にとっても難しそうなことばかりですが、この絵本の素敵なところは、それぞれが具体的なところ。
大きな声で「おはよう」を言ってくれるから、みんなを元気にしてくれる。
みんなを誘ってくれるから、なかまはずれをしない。
困っていると助けてくれるから、思いやりがある。
嫌なことは「やめて」って言えるから、みんなを守ってくれる。
みんなきっと、いざその場になったらできることが1つは入っています。
だって、笑顔でいるだけでもみんなを幸せな気持ちにしてくれるんだから。
これができるだけで、きっと人気者になれると思ったら、小さな不安も吹き飛ぶかも。
最後には、だれでもみんな、にんきものになれますよ。の一言。
親も子供も入学に向けて元気づけられる、優しい絵本です。
「にんきもの いちねんせい」
え つちだ のぶこ
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「おりがみにんじゃ」
『いちおり におり さんおりん… あっというまに…』
忍者にハマりつつある娘のリクエスト、「忍者の絵本探して!」。
ケータイで検索かけつつ図書館で何冊か探し当てました。
今回の絵本は、折り紙の忍者。
折り紙の城から、おりがみの忍者が派遣されます。
隣国、あずきの国のお宝を探せよとの命令に、飛び立つ折り紙。
折り紙忍者とあずきの国の姫との攻防の、はじまりはじまり~。
そして、そのお宝とは、金銀財宝のことではなかったのでした。
忍者だけでなく、折り紙も大好きな娘にピッタリな絵本でした。
折り紙の忍者らしく、擬態しながら潜入します。
が、あずきの国の姫も負けてはいません。
お菓子を巧みに使っていい勝負。
折り紙の城の外観や、部屋の中も面白いです。
折り紙でできた置物に、内装は千代紙のようなカラフルな柄。
お殿様はいわゆる”ヤッコさん”です。笑
裏表紙の裏のページには、折り紙忍者に乗って折り紙の城に遊びに来る、あずきの国の姫の姿が。
仲良くなってよかったよかった。
表紙の裏には、折り紙の折り方も掲載してあって、お話の中に出てくる生き物たちもおることができます。
忍者に折り紙、子供が好きなエッセンスがいっぱい、読んでも折っても楽しめる絵本です。
「おりがみにんじゃ」
つきおか ゆみこ
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「にんじんじゃのおもしろにんじゃずかん」
『ぼく、にんじゃに なりたいんだ!』
ここ最近の図書館シリーズで、娘が一番ハマった絵本です。
娘がずっと欲しかった絵本、「れいとうこのそこのおく」を昨年のX'masに手に入れて、随分気に入っていたので同じ作者の絵本を借りてきました。
これがドハマり。
めっちゃ面白いらしいです。
その名の通り、忍者のあれこれがたくさんつまった絵本です。
子どもって忍者大好きですよね。
身近な物を使っての忍者なりきりスタイルから始まって、忍者の成り立ちや役目、道具や技術も詳しく描かれています。
図鑑というだけあって、ストーリーを楽しむのではなく、忍者についてのとっつきやすい絵本図鑑、といった感じです。
数コマ漫画を交えながら、面白おかしく学べます。
結構マニアックな知識もあって、大人が読んでも面白いです。
手裏剣の種類やクナイなんて、普通知る機会なんかないですもんね。
”のろし”に火薬と獣のうんちを使うなんて本当なのか…?娘は笑ってましたが。
この絵も可愛いんですよね。
太めの線にゆるめの表情。
ゆるキャラっぽくて可愛い絵がお気に入り。
図鑑なので、読み聞かせるタイプの絵本ではないです。
情報があっちこっちにあるので、読み聞かせる時はどこを読んでいるか指差ししながらじゃないと伝わりづらいです。
ただ、自分でスイスイ読んでいける年齢だと、とっても楽しめると思います。
絵探しクイズもあり、普通の絵本の薄さの割にはじっくり読み込める絵本なので、結構時間をかけて読みたい絵本です。
娘はもはや「この本買って!」にまでハマっています。
『にんじんじゃのおもしろにんじゃずかん』
ぶん・え うえだしげこ
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「アイ・アイ・アイスクリーム・ショー!」
『アイスよ アイスよ アイスさん きょうの わたしに ぴったりな アイスは なあに?』
アイスクリーム屋さんでメニューに迷う女のコ。
迷っていると、不思議なアイスクリームのショーへワープ!
司会のスプーンが、次々にアイスたちを紹介していきます。
色とりどりのアイスたちが、歌ったり、踊ったり、漫才したり、キャンドルサービスしたり、なんと、ワイヤーアクションまで見せてくれます。
アイスたちは、自己紹介がてら次々にショーを繰り広げていきます。
絵本の厚さ的にはいたって普通の厚さですが、それぞれのページがアイスたちの渾身のアピールになっているので、読みごたえがバッチリの絵本です。
本当にショーを1本見た気分。
七五調でダジャレが満載、口に出して読みたくなります。
言葉遊びができるようになってから読んだほうが楽しめる絵本です。
少女マンガっぽさもある絵も可愛らしくて、娘は一目で気に入りました。
パステル調の色味も、細かい衣装の凝り方も、細かいところまで眺めたくなります。
カーテンコールにはみんな勢ぞろいで、ドラムロールと共に女の子のご注文を待ちます。
この圧巻のページで、どのアイスが食べたいか、親子でコミュニケーションを取りたくなるページです。
スタンダードなカップアイスも、ソフトクリームももちろんですが、モナカとかの変化球も捨てがたい。
何より急遽アイスと合体したパフェが最強でしょうか。
宝塚ばりのデュエットしながら合体する、パフェとアイスが見ものです。笑
「アイ・アイ・アイスクリーム・ショー!」
文 林木林 絵 わたなべ あや
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「ぎょうざのひ」
『きょうだけは はやく かえるの。』
ずいぶん前にEテレの”テレビ絵本”で見てから、娘が大好きな絵本です。
これも借りるのは何度目か。
3人きょうだい力を合わせて手作り餃子をお手伝いするお話です。
よーくこねたら、それぞれ成型。
皮が破れてもご愛敬。
定番の扇形だけでなく、四角に巾着型に、お花型、UFO型まで!
これを見ているだけでも、子供は作りたくなっちゃいます。
大人は、ビール片手に一杯やりたくなります。
うちの娘もそうですが、お料理のお手伝いをしたいお年頃。
餃子の成型なら、火を使う工程じゃないので目を離しても大丈夫。
この絵本を読んでから、うちも餃子は皮から手作り派になりました。
皮から作ると、伸びがいいので破れにくくて包みやすいです。
手間は増えますが、何よりモチモチで美味しい!(そして安上がり)
そこまで大変ではないので、皮からの手作り、おススメです。
娘も絵本のように、UFO型や、猫ちゃん型やチューリップ型など、楽しんで作っています。
うちではこの絵本の影響で、「今日はーー?」と聞くと、「餃子の日ー!」とまるで合言葉になっています。
この絵本、絵も暖色系で統一されていて、温かみを感じます。
そして、部屋の中の様子も、子育て真っ最中のリアルに描かれていて安心します。笑
おもちゃがガチャガチャ転がっていたり、ハンガーが落ちてたり、段ボールがそのままだったり。
そうそう、日々の生活に追われていると、そんなにオサレな状態で暮らしてなんていられません。笑
きょうだいでケンカになっても、美味しい餃子を食べるととっても幸せ。
でも、何より、美味しいものを家族で笑顔で楽しく食べられることが、何よりも幸せ。
そんな家族のあったかさが描かれている、心もほっこりあったまる素敵な絵本です。
「ぎょうざのひ」
かとう まふみ
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「これはのみのぴこ」
『これは のみの ぴこの すんでいる ねこの ごえもん … 』
Eテレの「テレビ絵本」で久しぶりに観たので借りました。
1年前にも一度借りて読んであげていたのですが、また新しい楽しみ方が出来た様子。
えー、深い含蓄を味わう絵本ではありません。
ページを追うごとに数珠つなぎに増えていく登場人物を読んでいく絵本です。
脈絡のない人物たちを読んでいくうちに、絶対に噛まずに読みたくなる絵本。
それでいて、なんとなくどんどん早口で読むことに挑戦していきたくなる絵本。
さらに言えば、どんどん増える1ページ分の文を一息で読んでしまいたくなる不思議な絵本です。
息継ぎしたくなくてムキになってしまう。笑
内容の突拍子のなさもさることながら、四苦八苦しながら読む親の様子こそを、子供が楽しむ絵本とも言えるかも。
小さな小さなのみの”ぴこ”から、どんどん世界が広がっていきます。
でも最後にはしっぽり納まるところに納まる、よくできた不思議な絵本です。
この絵本、1年前にもテレビ絵本で観た際に借りたことがありました。
本人は読みながら思い出したようですが、その時と違うのは自分で読むようになったこと。
大人も子供も挑戦したくなる絵本だというのは(我が家では)共通のようで、何度も音読しています。
そう、音読したくなるんです。
そしてやっぱり早口になっちゃう不思議。笑
噛んでしまっては、「あぁー!」と楽しそうに残念がっています。
そのうち暗唱してしまいそう。
子どものほうがあっという間に吸収するんですよねー。
ちょっと不思議な、でもとっても楽しめる絵本です。
脈絡がない分、連なる言葉の響きだけを純粋に味わう事ができるので、結構小さな子供でも楽しめると思います。
親御さんは頑張って読んであげてください。笑
「これはのみのぴこ」
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「アニマルバスとパンやさん」
『おいしーい!ぼく、こんな おいしい パン、はじめて!』
アニマルバスシリーズらしいです。
パンダ柄のバス、ファンファンが活躍するお話です。
丘の上のとっても美味しいパン屋さんにたどり着いたファンファン。
きつねさんが作るそのパンの美味しさに感激しますが、なんと、閉店することが決まっているそうで。
ファンファンと可愛い仲間たちがパン屋さんのためにひと肌脱ぐことに。
子どもが好きそうな可愛らしい絵本です。
思いやりにあふれたほっこりする内容もさることながら、絵が可愛い!
今風のファンシーでキュートな(古)絵が女児に受けること間違いなしな絵本です。
表紙の裏には、きつねさん力作の美味しそうなパンがずらり。
これはまるで…「からすのパンやさん」だ!
時代の流れを感じるのは、そのパンの種類です。
ベーコンエピパンやキッシュなんて、当時の日本では見なかったハズ。
そしてきつねさんがパンを作るページが私は大好き。
バターを含ませて伸ばした生地をくるくるしたクロワッサン、カッターで格子模様をつけてメロンパン、湯煎したチョコをつめてチョココロネ、どれも工程が本格的に描かれます。
本当のパン屋さんのお仕事を見るような、子どものおままごと意欲を駆り立てるような、魅力的なページです。
ストーリー以外にも、細かく描かれた絵や、吹き出しや空想部分など、自分で読むには読みごたえもばっちりです。
「アニマルバスとパンやさん」
ぶん あさのますみ え こてらしほ
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